オンライン診療には、実は様々なパターンがあります。
まず、普通に医師と患者が一対一で行うオンライン診療を「D to P(Doctor to Patient)」と呼びます。
また、ある医師が別の医師に対して情報提供や専門的助言をオンラインで行う場合を「D to D(Doctor to Doctor)」と呼びます。
放射線科や病理の医師に読影や病理組織の所見を遠隔で教えてもらう場合などがこれに当たります。このD to Dにおけるオンラインの領域は急速に進みつつあると聞きます。
さらに訪問診療医が在宅の場でタブレットを通じて専門医に助言を求めながら患者への診療を行う場合を「D to D with P」と呼びます。
なお、このケースは遠隔の専門医が患者診察に当たるのを訪問診療医がサポートしているとみれば「D to P with D」とも言えます。
加えて、「D to P with N(Nurse)」というパターンもあります。訪問看護師が医師からの指示を遠隔でもらう時などがこれに当たります。
D to P with Nに関しては、この度オンライン診療ガイドラインの見直しが図られて追加で詳細が記載された項目の一つで、
何を行うかはオンライン診療計画で事前に明記しておくこと、また原則D to P with Nを行う医師は、訪問診療などを定期的に行っていることを条件とすること、
またD to P with Nを行う看護師は同一医療機関の看護師であることなどを条件にすることが求められています。
この中では「訪問診療などを定期的に行っていること」という条件がD to P with Nを広めることの弊害となっているように私には思えます。
ガイドラインは全体的に対面診療の必要性を過大評価している節があります。
対面診療を定期的にしているかどうかは、有益なD to P with N診療を行えるかどうかに直接の関連は無いように思うのですが、いかがでしょうか。
例えば在宅看取りの場面で、普段の主治医が出張などの理由ですぐさま往診することが出来ない場合などは、
オンライン診療を用いて、たとえ定期的に訪問診療をしていなくとも、患者や患者家族が求める医師であれば、D to P with Nを行うことで役に立てる場面はあるはずです。
オンライン診療ガイドラインが皮肉なことにオンライン診療の可能性を狭めている感は否めないように私は思います。
なお、ガイドライン上に明記はありませんが、「D to P with C(Care worker:介護職)」というパターンもあるようです。
ガイドラインではとにかくオンライン診療のエビデンスを出すまでは慎重を期するよう求めるスタンスが貫かれていますが、
その結果エビデンスが出しにくい環境を作り出している矛盾した状況があると思います。
何より、エビデンスも確かに重要かもしれませんが、それよりも現場の満足感や役に立つ感覚は重視されるべきだと私は思っています。
たとえエビデンスがなくとも、患者の役に立つことは実行されて然るべきではないでしょうか。
一刻も早く不自然な制限状態が解除され、多様なオンライン診療のスタイルが認められる時代が来ることを願うばかりです。
たがしゅう
お疲れ様です。
新しい事を始める場合は理解できない人から、猛烈な反発を受ける事が多いと思います。
医師不足の中山間地域では、問題解決の切り札になる診療方法だと思いますが、先生が先駆者になって頂ければ、徐々に規制も改められると思います。
今、当院も電子カルテの導入と地域包括ケア病棟の導入で、てんやわんやの状況です。
1年後には導入して良かったと思って貰える事を信じて、進めています。
お互い頑張って行ければ良いですね。
岡野拝
岡野事務長
コメント頂き有難うございます。
新しいことを始める時というのは大変さがつきものですよね。
お互い節目の時期になりそうですね。