オンライン診療ならば直前に納豆を食べることもできる

しょうもない話で恐縮ですが、オンライン診療専門のクリニックを始めて3年、

ここに来てもう一つオンライン診療のメリットに気がつきました。

ただしこれは対面診療とオンライン診療の両方をやっているクリニックでは生まれないメリットです。

私のようにオンライン診療を専門にしているクリニックならではと言えるかもしれません。

それは「診療の直前に納豆をたくさん食べても匂いを気にしなくていい」です。

対面診療とオンライン診療を比較すると、どうしても対面することの温かみ、「医は仁術」的な医療の良さが削がれてしまうという側面が強調されるような気がします。

もちろん、対面の価値はあります。それを否定するわけではありません。

しかしながら、だからと言ってオンライン診療を対面診療よりも質の低いものとして捉えるのはどうでしょうか。

政府や医師会はオンライン診療を「対面診療の補完的役割に留めるべき」と主張し続けていますが、

私は「オンライン診療は対面診療とは別の文化として発展すべきだ」と一貫して言い続けています。

 

オンライン診療前にどうしても小腹が空いてしまったんですね。

オンライン診療専門クリニックでのオンライン診療にはもともと、診療直前まで診療以外の作業を行うことができるというメリットがあります。

冷蔵庫にあった3パック入り79円の納豆があったので、診療前に少しだけ時間があったのでこれを食べたわけです。

よく考えればこれは医師側だけではなく、患者さん側のメリットでもあるかもしれません。

ただもし自分が対面診療のクリニックを経営していたら、同じ状況で納豆を食べていただろうかとも思います。

そもそも医師たるもの診療に当たる前には納豆を食べてはならないでしょうか。食べてはならないとしたらそれは姿勢の問題ですか、匂いの問題ですか、はたまた常識の問題ですか。

納豆を食べても食べなくても、その瞬間の医師としてのパフォーマンスは正直言って大差はないでしょう。私はどちらでも良いと思います。

ただ私はそのどちらでもよいことを気兼ねなく自由に選ぶことのできる環境自体にも大きな価値があると考えています。

なぜならば私はそのように自由に選んで生きていけることに幸せを感じるからです。

 

 

「どちらでもよいことを自由に選ぶことのできる環境」

これは当たり前のようでいて、実は工夫がないと実現することが難しいことかもしれません。

それは昨今の「マスクを外す自由があるにも関わらずなかなか外すことができない」という状況に似たところがあるように思います。

「納豆を食べる自由があるにも関わらずなかなか食べることができない」と。

そうだとしたら納豆を食べることを難しくしているものは何でしょうか。それを解消することができる別の環境はないでしょうか。

人間が社会の中で生きている限り、自由の獲得はそう容易いことではないのかもしれません。

だからこそ多様な選択肢の中から選べる環境というのが重要だと考えています。

オンライン診療のほうが良いというつもりは毛頭ありません。

オンライン診療を一つの選択肢として知ってもらえれば幸いです。

 

 

たがしゅう