オンライン診療のシステムを利用して提供できるサービスの一つにセカンドオピニオンがあります。
直訳すれば「第二の意見」、ある医療機関で下された診断や治療方針がはたして妥当なものなのか、別の医療機関へ意見を求めることを意味します。
一般的にはがんや治療法が確立されていない難病と診断された患者さんで考慮されることが多い選択肢だと言えます。
ところがこのセカンドオピニオンは基本的に保険が効きません。
様々な医療機関でセカンドオピニオン外来というのが開設されていますが、これらは基本的にその医療機関のサービスとして行われているものです。
そして普通セカンドオピニオン外来を受診しようと思ったら、もともとの医療機関での診療情報提供書があることが求められます。
つまり今診てもらっている医者に「診断に納得がいかないので紹介状を書いて欲しい」と要望しなければならないということです。
これは患者の立場からすればなかなかハードルの高い行為ではないでしょうか。
よしんば何とか言い方を工夫して紹介状を書いてもらうことができたとしても、だいたいセカンドオピニオン外来を開設している病院というのは、
ほとんどすべてが西洋医学ベースで同じ治療方針で同じ治療の価値観で診療が展開されている病院でしょうから、
そんな風に勇気を振り絞ってたどり着いたセカンドオピニオンであっても、元の医療機関と同様の結論になってしまう事は多々起こっていると思います。
私はセカンドオピニオンを求めるのであれば、同じ土壌、同じ価値観を持つ医師に頼んでも意味はないと思います。
しかし自分の住んでいる地域に都合よく別の価値観を持っている医師がいることなんてそうはありません。
そんな中、オンライン診療でのセカンドオピニオン外来が一般的になれば、
少なくとも地域的な理由でセカンドオピニオン外来を受診できないという不幸がなくなります。
また私がオンライン診療でセカンドオピニオン外来を行う場合は、紹介状は必ずしも求めません。
なぜならば紹介状を書いてもらうように患者さんが医者へ頼むのにストレスが大きいという状況が多々見受けられるからです。
勿論私一人のオンラインセカンドオピニオン外来では、到底全国の患者さんに福音となるようなものではないかもしれません。
しかし今後こういったオンライン診療でのセカンドオピニオン外来が他の医師の間でも普及し、様々な価値観の医師達の中から自分が望む医師を選べる体制が整えば、
セカンドオピニオンの在り方も本来のものへ変わってくるのではないかと私は考える次第です。
たがしゅう