自分の中の原因に気付く大切さ

オンライン診療での価値を維持するためには主体性が不可欠です。

このことを別の言葉で表現するならば、「自分の病気が治らないのは相手が正しい医療を施してくれないため」と考えているような人はその時点でオンライン診療には向いていないと私は考えます。

なぜならば、病気を誰かのせいにしている時点で、自分で行動を起こす気持ちは低いということになり、

それだと対面診療であろうと、オンライン診療であろうと、それは単純に依存先が変わっただけのことでしかなく、結局何らかの薬や処置を他人から受けるしかやり様がなくなるからです。

オンライン診療を利用したいのであれば、まずは病気のことについて自分なりに原因を考えてみることです。

その作業が抜け落ちたまま、症状だけを述べて、「先生何とかして下さい」と解決策を導く作業を相手に一任しているのが今の医療で多くみられる構造です。

こう言うと、そんな原因だなんて専門家でもないのに考えられるわけがないと思われるかもしれませんが本当にそうでしょうか。

例えば眠れないという訴えがあったとします。

その原因としては様々なことが考えられます。

例えば仕事で責任のあるポジションを任されていて、真面目な性格から仕事を引き受け過ぎてしまい、

自分のキャパシティを超えて仕事をし続けていることが、交感神経過緊張状態を作り出し、眠りにくい状況を生み出しているとか、

あるいは何時に寝ないといけない、何時間寝なければならないという価値観自体が不安を通じて不眠の原因になっているですとか、

あるいは単純にコーヒーを飲み過ぎる習慣のせいでカフェインの中毒性を生じているための可能性だってあります。

もしもその辺りの自分なりの原因を検討していれば、まずはその辺りに対して対処しようという主体性が生まれますし、

その自分なりの原因に対する解決策を何らかの理由で行動に移すことができない場合は、その方法をオンライン診療で一緒に考えることができるかもしれませんし、

自分なりの原因の考察が客観的にみて明らかにおかしいという場合は、オンライン診療の対話の中で軌道修正を促すこともできるかもしれません。

要するに症状の原因について自分自身で検討できることはいくらでもあるはずなのです。むしろ他人である医師がノーヒントでその正解に近づくのは極めて困難なことなのです。

だからオンライン診療を利用したいという人には、少なくとも全部原因の考察から対策の立案まで医師へ丸投げというスタンスでは臨まないでほしいと私は思います。

そうしてしまうと、オンライン診療というフィールドでも、従来の現代医療と大差ないことしかできなくなってしまうからです。

私は病気の真の原因を自覚し、それに対して主体的に行動を起こすことこそに従来医療では成し遂げることのできないワンランク上の症状改善効果が期待できると考えています。

そのためには間違っていてもいいから患者自身で自分なりの症状の原因を考えてみること、考えるための2大ポイントは食事と心の在り方です。

逆に言えば、食事を見直さない、心の在り方も変えない(例:「年だから仕方がない」などという人はその時点で心を変えようとする主体性は乏しい)という人に対しては、私はたいしたアドバイスはできないということです。

一番重要なことは患者さんに多様な価値観を受け入れる器を準備してもらうということです。例えば腰痛ひとつとっても、身体を無理に使ったからという視点だけではなく、慢性ストレスによって腰痛が引き起こされるという考えもあります。

物理的なことだけだという価値観にとらわれている人は、腰痛の改善行動を物理的な面ばかりで検討するため、決して心の在り方を見直そうという主体的行動へとはつながりません。

その辺りのより根本的な症状の原因を探るためにはその人に生活習慣、価値観、人間関係など様々な事柄について知らなければ、オンライン診療を行う立場の身からすれば助言のしようがないのです。

願はくは、オンライン診療をコンビニ感覚で利用する人が増えないことを願うばかりです。

どちらかと言えばイメージはじっくりと時間をとって行う人生相談室のような利用の仕方の方は望ましいでしょう。

オンライン診療を提供する側の意識だけでなく、オンライン診療を利用する側の意識も相まってはじめて、

オンライン診療の真の価値は生み出されるのではないかと私は思います。

たがしゅう

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