答えではなく考え方

最近オンライン診療での書類作成のニーズが増えてきています。

先日は他院で行ったたくさんの検査データを、結局どう解釈したらいいのかまとめてもらいたいというオーダーがありました。

一般の病院やクリニックで血液検査や画像検査を行っても、さらっとしたコメントのみで済まされてろくに説明を受けられずに終わるという話はよく聞きます。

こういう医者の態度も患者さんへ「難しいことは聞いてもよくわからないから、先生にお任せするしかない」という病院依存の気持ちを生み出しやすくさせているように思えます。

また自由診療のクリニックにおきましても、大層高価で精密な検査を実施されている所がありますが、

その膨大な検査結果を見て、その検査の解釈を患者さんにきちんと伝えているのでしょうか。

まさか長大な検査結果のレポートを渡して患者さんに説明責任を果たした気持ちになってはいないでしょうか。

今回私が依頼された「膨大な検査結果の解釈をしてほしい」という依頼は、医者の怠慢な態度が生み出したものだと私は思います。

そしてもっと言えば、検査結果の解釈は一通りではありません。その検査結果を元に何をどのように考えることができるのか、その思考方法を伝える必要があります。

そうしなければ検査を行えば行うほど、患者さんは「素人だから先生にお任せするしかない」と考える一途となっていってしまうのです。

私はその患者さんに私がそのデータを見てどう考えるかという思考プロセスを伝えました。

オンライン診療医として、答えを与えるのではなく、考え方を与える医師でありたいと思います。

たがしゅう