オンライン診療は患者を選ぶという話をしましたが、
私がオンライン診療を通じて目指したいのは「主体的医療」の構築です。
「主体的医療」とは、治療の主導権を患者自身が持ち、
そこへ医療者がサポーター的に関わることで、患者自身が望む治療を受け続けることを可能にする医療です。
患者が治療の主導権を持つには、病気のことについて自らが学ぶ必要があります。
その努力なくして主体的医療の実現はあり得ません。
だから私は主体的医療を構築するためには、病気について自由に考えることのできる場の形成が必要不可欠だと考えています。
そのヒントは教育の現場にあります。
先日とある会で交流したある私塾の先生は、
生徒達に自分の夢について自由に語り合う「ドリーム」という授業の時間を取り入れておられるそうです。
そこでは生徒がどんな夢を描いたとしてもその考えを否定しないこと、
一方でその夢が現実とかけ離れていかないように、教師は生徒をさりげなくサポートすることが求められるのだそうです。
こうした自由度の高い授業は教師の側の負担は大変かもしれないですが、
生徒達にとっては主体性を磨き、夢を実現させていくための術を、
自らの手でつかみ取っていけるようなになるためのかけがえのない時間になるのではないかと思います。
私はこれと同じようなことが病気について行われるとよいのではないかと思いました。
自分の病気についてどのように捉えて、何が原因で、どのような解決策があるかということについて、
従来の常識にとらわれずに自由に発想し、そのための道筋を具体的に進めていくのをさりげなくサポートするための場です。
オンライン診療の場の形成と並行して、
そのような病気について、できれば複数の人数で深く考えることができる場も作っていければと思い始めています。
たがしゅう