触れられないというデメリット

私はこれからオンライン診療専門のクリニックを立ち上げようという立場にいますので、

どうしてもオンライン診療のメリットばかりを考えがちになりますが、

オンライン診療のデメリットの把握に対して甘くなってしまう側面があるかもしれません。

なのでオンライン診療のデメリットも意識して努めてしっかりと把握した上で運営していく必要があろうかと思っています。

オンライン診療における最大の欠点として私は「患者に触れないこと」が挙げられると思っています。

他のデメリットとして挙げられる「急変時の対応が困難」ですとか、「検査を行うことが難しい」といったデメリットも突き詰め得れば「触れない」ことによるデメリットであるように思います。

「触る」という行為にはそれだけの可侵性があるということであり、さらに言えばそれだけで癒しの効果があるとも思います。

勿論、触れられることに嫌悪感を覚える患者さんもいらっしゃるでしょうけれど、それは基本的に信頼関係が成立していない上での話です。

オンライン診療は通常の診療以上に医者患者間の信頼関係の構築に心血を注がなければ成立しない医療だと私は考えていますが、

何らかの努力によって信頼関係が構築された場合には、ここにおいては「触る」という行為が非常に重要な役割を果たすようになるのです。

例えばストレスが蓄積された患者さんの肩を触わり、「ストレスを身体が感じ少し無理がかかっているようですね」ということを伝えることができたり、

あるいは何かしらの不安にさいなまれている患者さんの手をとってさすり、一緒に不安を分かち合うよう努力してみたり、です。

そうした触わる行為は治療の一環として重要な意味を持っているわけですが、

オンライン診療ではその「触わる」を行わずに患者さんの状態を快方に導かなければならない難しさがあると私は思っています。

そういう意味ではオンライン診療と対面診療を組み合わせることは妥当なのかもしれませんが、

そこの組み合わせ方をどうするかを決める権限は患者さんに預けるべきだと私は考えています。

「触れる」という行為を伴う診療はそれを伴わない診療と比べて質が落ちるということは紛れもない事実だと思います。

それを踏まえて私はオンライン診療の質を高めるための努力をしていかなければなりませんし、

同時に触れることができる診療の場をも提供していく必要があるということも考える次第です。

たがしゅう

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