現代医療につなぐことがオンライン診療の価値か

私はオンライン診療の大きな意義の一つに「今までではつながることのできなかった医師と患者をつなげることができる」ということがあると考えているのですが、

多くの人がイメージする遠隔医療の意義は「離島や無医村など今までは現代医療にアクセスできなかった人達がアクセスできるようになる」というものではないかと思われます。

この二つの考え方は実は似て非なるものです。どういう点で違うかというと「既存の西洋医学中心型医療を基本においているか否か」という点です。

基本的に遠隔医療を促進しようと奮闘している人達の中には現代医療を是とする考え方があると思います。

しかし私は必ずしも西洋医学中心型の現代医療につなげることだけに価値を見出すのではなく、

もっと様々な価値観の医療の選択肢の中から患者が自分の望む治療を自由に選ぶことができる世界を目指しています。

さらに言えば様々な医療を選ぶことができる環境は、最終的には自分自身で病気を治すことができるようになるための必要条件に過ぎないのであって、

単に対症療法の連続である西洋医学中心型現代医療につなげるというだけでは、あいも変わらず医者や病院に依存する患者が増え続け、

結局は増え続ける医療費の問題を解決できず、国民の健康度向上に大きく寄与することもできないと私は考える次第です。

これは学校で例えれば、英数国理社だけを定型的に教える仕組みをオンラインでも行うというだけでなく、

オンラインで商売が学べたり、オンラインで物書きが学べたり、オンラインで恋愛が学べたり、オンラインで金融が学べたり、様々な学びをオンラインで提供するプラットホームが整い、

それを利用する学生が多様性の中から好きなプログラムを主体的に学びとり、自分にとってよい人生を歩める仕組みを作るようなものです。

多様性をつなぐことにこそ遠隔医療の価値はあると私は考える次第です。

たがしゅう