患者が医師に一番求めるものは何でしょうか。
勿論、自分の病気を治してもらえることでしょうね。
ではそこにスピードは重要となるでしょうか。
多くの方は、それは早く治してもらえるに越したことはないと答えるのではないかと思います。
しかしながら、私は対症療法的な治療は短時間に、根治療法的な治療は長時間になりがちだと考えています。
従って短時間でパパッと治すことができる医師の行う治療は必然的に対症療法中心、
すなわち根本原因が放置されたまま表面的な症状を取り去っているだけの治療であることが多いのではないかと思います。
なぜならば私は、病気の根本原因が食事やストレスという内因に由来する部分にあることがほとんどだと考えているからです。
内因を探り、それを是正する治療アプローチをとるためには、その患者さんについてのあらゆることを知る必要があります。
性格、周りとの人間関係、生活環境、文化的価値観、コンプレックスなど、
そうしたものが複雑に絡み合った結果、何かしらの症状が現れているという考え方をします。
少なくとも症状だけを聞いて何かしらの治療を行うという方法論では、
絶対に患者さんの病気の根本原因に迫ることは不可能だと私は考える次第です。
評判のよく繁盛している病院には多くの患者さんが押し寄せて、
病院側は「患者をさばく」という表現をしますが、まさに短時間で多くの患者をさばけるような何らかのシステムが構築されていることと思いますが、
その時点でその病院は対症療法的な治療をしているに違いないということになります。
勿論、長い時間をかければ良い医療だと考えるのもまた短絡的です。
根本的な病気の原因である内因に迫るための時間も短いに越したことはないと思います。
しかし少なくともじっくりと時間をとれる体制があるかどうかということは、
良い医療、ひいては根治療法を見据えた医療を展開するための必須条件ではないかと私は考える次第です。
そういう意味でオンライン診療で完全予約制で十分に時間をとって診療を行える体制を作ることは、
良い医療を目指すためのはじめの第一歩となるのではないでしょうか。
たがしゅう