何が診察を診察たらしめるか

近年、動画情報の価値というものが広く認識されつつあります。

YouTubeが情報の世界を席巻し、小学生がなりたい職業の上位にYouTuberがランクインされるようになったことも多くの人達の知るところだと思います。

文字情報に比べて動画情報は非言語的情報までを含めて、いわゆるニュアンスまでもが伝わるのでよいのだというのが一つの考え方だと思います。

一方でオンライン診療は、ガイドライン上「リアルタイムでの情報通信機器を介したコミュニケーション」だと定義づけられています。

従って例えば私が糖質制限の指導内容をYouTubeにアップして、後でこの動画を患者さんに観てもらう行為は「オンライン診療」には当たらない、ということです。

はたしてリアルタイムのビデオ通話と、リアルタイムではない動画視聴は、情報の質としては何がどう違うのでしょうか。

それは双方向性であるかどうか、ということではないかと思います。

逆に言えば診察という医療行為には双方向性が必要不可欠だという言い方もできると思います。

さて皆さんの身近な医師とのコミュニケーションはきちんと双方向性となっておられますでしょうか。

双方向性はコミュニケーションの本質だと言っても過言ではないかもしれません。

逆に言えば、対面診療であろうとオンライン診療であろうと、一方的なコミュニケーションとなってしまうことを厳に慎まなければならないとも思います。

オンライン診療を考え続ける作業を通じて、大切なことに気付かされ続ける日々です。

たがしゅう