任せ続けた成れの果てを誰も救うことはできない

漢方の名医の先生だと重症肺炎でも抗生剤なしでコントロールできると聞きます。

しかし少なくとも私の漢方診療経験だと、軽症であればまだしも、重症肺炎で抗生剤を使用せずにコントロールすることは難しいと感じています。

勿論それは抗生剤自体に厳然たる治療効果があるということには違いないのですが、

裏を返せばそれまで抗生剤に頼り続けたことによって、薬剤の耐性化や腸内細菌の偏りを生じ、抗生剤依存状態が生み出されたという側面も大きいように思います。

言い換えれば、抗生剤に頼らずに治す自己治癒力が不可逆的に低下してしまっているということです。

漢方薬はそもそも本来身体が備えている自己治癒システムを活性化させることで、その多面的な薬効を発揮する薬剤アプローチだと考えられますので、

自己治癒力が不可逆的に消耗疲弊してしまっている状況では、たとえどんな漢方の名医でも漢方薬だけで症状を改善させることは難しいのではないかと個人的には感じています。

そこまで自己治癒力が衰えてしまっている患者さんは、はっきり言って病院医療に任せるしかないと思っています。

私のオンライン診療では少なくとも自己治癒力が残っていてかつ主体性のある患者さんに関わっていきたいと思っています。

こういうと重症患者を診られない言い訳のように聞こえるかもしれませんが、

そこまで自己治癒力が低下してしまった患者さんは、理由はともあれ主体性を放棄し、自分で治す力を養成せず、ただ病院医療のなすがままなされるがままに委ね続けてきた結果としてその状態になっていると考えることができるので、

主体的医療を展開する私のオンライン診療の方針に沿うはずがないのです。

厳しいことを言うようですが、「素人だからわからない」「先生にお任せ」と考え続けてきて重症化してしまった人達を、

私のオンライン診療が救う事は、今もこれからもきっとできないと思います。

私はそうなる前に患者さんに主体性を育んでもらうサポートをする医療を展開したいと思っています。

たがしゅう