今回はオンライン診療における急変時対応について考えます。
厚生労働省が定めるオンライン診療の指針では、事前に「診療計画」を定めることが求められています。
指針では、もしも急変が起こった場合の適切な体制を整えておかなければならないと明記されており、
「診療計画」の中にその適切な体制についても盛り込んでおく必要があるそうです。
通常、保険診療の中で行うような概ね30分以内での距離でオンライン診療であれば、
近隣の入院可能な総合病院へ患者さんが入院できるように便宜を図ったり、紹介状を作成することもできるでしょうけれど、
これはある程度普段からコミュニケーションが取れている病院に対してはじめて成立する話です。
自由診療でものすごく遠距離の患者さんに対してオンライン診療を行う場合は、
その患者さんがお住いの地域の総合病院を私が把握していることは稀でしょうし、
紹介状を送るにしても受ける医療機関側としてもはるか遠くのクリニックからの紹介状には違和感があることでしょう。
しかしものすごく遠距離な患者さんに対しては、「救急車を呼んで近くの大きな病院へ運んでもらうように」と言って、
後で紹介状をFAXを送るくらいしか対応の取りようがないと思います。
それではオンライン診療をしてはいけないのかと言われたら、
「患者の健康に資する」が医療の基本だと思いますので、
急変時の対応が不十分であることを理由に「オンライン診療」をあきらめるべきではないと思います。
だからこそ、「そもそもオンライン診療は急変時には対応していない」ということも、
患者さん側も分かった上でオンライン診療を利用する必要があると思います。
そしてリスクの高い薬は使わないなどの、最大限急変を起こさないための努力は勿論するとして、
その上でもどうしても急変が起こってしまうということはやはりあると思います。
その場合は遠距離で私ができることをたとえ不十分だと思われたとしても最大限行う、
それが「適切な対応」となるのではないかと私は思います。
たがしゅう
かかりつけ医とオンライン診療の医師が、連携して動けるといいなと思いました。
例えば下記のようなケース。
糖尿病のかかりつけ医がいて、患者本人が糖質制限での希望を持っている。
かかりつけ医は糖質制限による治療については経験や知識がとぼしく糖質制限をして治療していくのに不安を感じている。
オンライン診療の主治医とかかりつけ医がタッグを組んで治療計画を立てる。
かかりつけ医と拠点病院のような関係性をオンライン診療の医師とかかりつけ医で事前に作っておく。
たか さん
コメント頂き有難うございます。
確かにかかりつけ医とオンラインかかりつけ医とでそのような連携が取れれば一つのモデルケースとなるかもしれませんね。
ただその場合、かかりつけ医がオンライン診療医を利用するという形でないと成立しにくいようにも思います。
現時点ではいろいろな事情で、たとえオンライン診療医からかかりつけ医へ連携を申し出ても受け入れてくれる医師が少ないというのが実情だと思います。将来的にはこの辺りの状況が変わってくれればよいなと思います。