哲学カフェから学ぶオンライン診療

オンライン診療は基本的に「対話」によって行われる医療行為です。

普通医療においては医者が主導権を持って患者を正しい方向へと誘導するという考えが持たれがちです。

医療を受ける側の患者も、医療を提供する側の医師も、おそらく無意識レベルでそのような考えがしみ込んでいる場合が多いと思います。

一方で私は普段、哲学カフェというイベントは好きで、よく参加したり、自分でも開催したりしているのですが、

この中で用いられるコミュニケーションツールも「対話」です。

同じ「対話」によって行われる営みですが、こちらの哲学カフェでは基本的に誰かが主導権を持って場を一定の方向へ導いていくというものではありません。

何を話してもいい、誰が話してもいいし話さなくてもいい、最低限のルールだけを守りながら非常に自由に「対話」が繰り広げられていくのが哲学カフェでの「対話」です。

私はもっとこうした形での「対話」が取り入れられていくべきだと考えています。

医者が主導権を持つのではなく、患者が主導権を持つ医療における「対話」です。それってどのようなものなのでしょうか。

私はまさにそれをオンライン診療の場で問いたいと思っています。

患者さんはどのような考えを持っても許されるし、どのような意見だって医者に言ったってよいわけです。

たとえ患者さんが私の意図に沿わないことを言ったとしても、私はその発言の真意は背景を理解しようと汲み取る努力をします。

そしてその中で理解できる真意がわかれば、その上でどうすべきかを一緒に考えると思いますし、

どうしても納得できない真意であれば、それを無理矢理矯正しようとするのではなく、自分はそれに対してこう思うということをあくまで述べるにとどめる、

そのような「対話」のやり取りを繰り返すことで、もしかしたら今の医療ではもたらすことのできない治療効果が得られるのではないかと私は思っています。

哲学カフェでの学びは、私の中で医療での「対話」を変える営みへ通じます。

たがしゅう

「哲学カフェから学ぶオンライン診療」への2件のフィードバック

  1. 糖質制限、内省、孤独で検索をしてたがしゅう先生のブログを見つけて以来の読者です。たがしゅう先生の考え方に共感することが多く、一体どんな方なのだろう?と思っておりました。

    今回、たがしゅう哲学カフェに参加をさせていただきました。発言は出来ませんでしたが、他の参加者さんの意見を聞いたり、たがしゅう先生が皆んなの意見を、心の両手で掬い取って上手くまとめる手腕はさすがだなと思いました。

    たがしゅう先生の声がまたとても心地よく、実際に近くで聞いていると私の身体に共鳴する感じがして、やはり参加して良かった!と思いました。

    今回、テーマは参加者さんから挙げられましたが、たがしゅう先生が例として挙げた(結婚)(男と女)について是非とも語り合ってみたいです。
    興味津々テーマですね!

    • いわき市 さん

      コメント頂き有難うございます。
      また「たがしゅう哲学カフェ」へ御参加頂き誠に有難うございました。過分な御評価に恐縮でございます。

      テーマフリーは初めてでどうなることかと思いましたが、皆様の御協力もあり何とか形になったように思います。テーマ事前決め、テーマフリー、それぞれの良さがあるように感じました。

      「男と女」も語り合ってみたいテーマのひとつですね。考えても考えても結論にたどり着かないのにそれでも考えずにはいられない不思議なテーマの一つだと思っています。またの機会に是非検討させて頂きます。

      今後とも何卒宜しくお願い申し上げます。

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