患者の世界観をあぶりだす問診技術

オンライン診療においては、問診技術が診療の成否を握っていると言っても過言ではありません。

身体疾患・精神疾患問わず、私がまず確認するのは食生活の状況、

そして今その患者さんがどういう生活の状況におかれているかということです。

仕事は何で、どんな役職で、どのような内容の仕事で、休み時間・帰宅時間、ストレスの発散時間、楽しく話せる友人はいるか、気を遣う相手はいるか、

家族との関係はどうか、幼少期に辛い出来事はなかったか、今でも引きずっている過去の辛い出来事はあるか、人生をどのように捉えているか、

熱いものが好きか、冷たいものが好きか、何かに対する恐怖心はないか、

自分はどんな性格だと思うか、自分は他人から見てどのように思われていると思うか、などなど…

まるで未完成のジグソーパズルを埋めていくかの如く、その患者さんの全体像を把握するために様々な質問を投げかけていくことになると思いますが、

限られた時間の中でその作業を無駄なく効率的に行うためには問診票を利用するのが一つの方法ですが、

それでも最初の質問をどうするかという事は頭を悩ませるところです。

勿論、実際の診察でイレギュラーな会話のやり取りを生じて予定がずれるということは起こり得るでしょうけれど、

私がはじめに病める患者さんに尋ねたい質問と思っている質問はこれです。

「あなたの生きている世界のことを私に教えてくれませんか?」

言い換えれば、主人公あなたであなたの人生というストーリーを私に語ってもらいたいということです。

主観的な視点で語られるそのストーリーには必ずしも客観的な事実と合致しない部分も出てくるかもしれません。

それでも患者さんが何をどのように捉えているかということが、病気の原因を探るには非常に有益な情報となりますので、

とにかく自分が世界をどのように感じているかを自由に語ってもらいたいと思っています。

しかし漠然とした質問故に、うまく答えられない患者さんもいることでしょう。

その場合は「例えば今はどんな仕事をしていますか。仕事をしていない場合は1日の時間がどんな感じで流れていくかを教えて下さい」などと質問をより具体化して答えやすくする工夫を施します。

そのような対話の中で築き上げた患者さんの世界観を知り、本人が気づいていない修正すべき点を見つけ出すのが私の最大のミッションです。

事前準備は勿論ですが、開業後の実践の中でもその技術を高めていきたいと考えています。

たがしゅう

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