私が想定しているオンライン診療には従来の対面診療と決定的に違うコンセプトがあります。
それは「患者を病気から卒業させる」ということです。
つまり病気を理由に延々と患者を通院させる医療ではなく、どこかの時点で通院しなくてもよい状態を目指す医療です。
そのために必要不可欠な要素が私は「主体性」だと考えています。
考えてみれば学校の教育と似ている所があります。
学校での教育は将来社会に出て一人で渡り歩いていけるようになることを目的で行われていると思います。
卒業した後も先生がずっと付きっ切りで人生のサポートをしてくれるわけではないからです。
けれど医療においては、不思議と死ぬまで医師のサポートを受け続ける構造がまかり通っているのではないでしょうか。
まるで卒業しているにも関わらず、何をしていいかわからずに先生にいつもどうすべきかを聞き続けている生徒であるかの如くです。
その時に必ずと言っていいほど使われている台詞が「素人だからわかりません」「先生にお任せします」というものです。
その任せた結果、国民の健康状態がどうなっているかは高齢者医療の現状をみればよくわかります。
解釈は人それぞれかもしれませんが、任せたその先には理想的な健康が待っていないということだけは確かです。
なぜならば任せれば自分の意図通りとはならないし、
自分の意図がわからない場合でも、強制的に身体のシステムをいじられるので、自分にとって不快な刺激となる可能性が大ですし、
任せることによって自分が主導すれば最も効果的に働く複雑で精密な生体のシステムが、
自分の意図と少しでも反すればストレスとなってシステムの誤作動を誘発し続けてしまうからです。
だから私は医療においても、患者へ主体性を育み、
病気(慢性疾患)は一生付き合っていくべきものという概念から離れられるようになるためのお手伝いをすべく、
このオンライン診療のシステムを活用していきたいと考えています。
たがしゅう