先日とある産業医セミナーに参加し、様々な情報を学んできたのですが、
その中で産業保健活動にもオンラインの技術が導入される流れになってきているという話がありました。
産業医とは企業に雇われたお医者さんで、その使命は従業員の健康を守ることです。
通常の医師と違って基本的に診断や治療は行いません。主な仕事は職場を巡視して従業員に健康上の問題をもたらす人やモノ、環境などの要因がないかどうかをチェックし必要に応じて是正のための提案を行ったり、
健康診断やストレスチェックでの有所見者に対しての面談や保健指導を行ったりなどの業務があります。
例えばその有所見者への面談をオンラインでのビデオ通話で行うという動きは一部ですでにあるようですし、
将来的には遠方でなかなか産業医を確保できない地域の中小企業などへは職場巡視さえも、
現場で職場を巡視する従業員の一人にタブレットを持ってもらい、そのタブレット映像を通じて産業医が遠隔で職場巡視をする流れも出来そうだとのことです。
カテゴリーとしては「診療」よりも「健康相談」に近い産業医活動なので、オンラインの流れはこちらの方が抵抗なく進んでいく可能性もあるかもしれませんね。
そんな中、オンライン診療での個別面談は身体に触れないというデメリットがあるわけですが、
例えばセクシャルハラスメントの相談などに関しては。むしろ絶対に触れない個室環境で相談に乗るという方が安心感があるかもしれないとふと思いました。
勿論対面での面談でも別に産業医がセクハラ被害者を触るわけでは勿論ありませんが、要は心理的な安心感の問題です。
オンラインでの産業医面談は、単に遠隔で行う面談という以外に、オンライン面談ならではの特性があり、それを理解した上で活かしていくことがオンラインのノウハウを発展させていくことにもつながるのではないかと感じた次第です。
医療において様々な場面でオンライン技術がもたらす可能性の拡がりに私は期待を寄せています。
たがしゅう