たがしゅうオンライン診療クリニックの理念

私の経営するオンライン診療クリニックの理念について改めてまとめてみたいと思います。

医師の仕事は患者を治すことだと言われています。

しかし世の中には様々な種類の難病があると言われ、どんな治療もどんな研究もそうした難病の患者を根治に導けないでいるというのが偽らざる現実です。

患者を治すのが医師の仕事だというのに、世界中の優秀な医師達が本質的にまだその仕事を成し得ていないのです。

そしてこの話は何も難病に限った話ではありません。私達にとって身近な高血圧や糖尿病といった生活習慣病でさえ医師は治すことができていません。

なぜならば本当に病気が治せているのならば、病院から卒業できていなければおかしいのに、実際にはほとんどの患者が病院にかかり続けている事実があるからです。

ひょっとしたら医師は何一つ治せていないのではないでしょうか。だとすれば医師の仕事とは一体何なのでしょうか。

そう思っていたある日、私はどの医師もが治せずにいた生活習慣病を治して病院から卒業している人達の存在を知りました。

また未だ進行すれば治らないイメージの強い末期のがんが消えてなくなったという人達の存在を知りました。

彼らに共通していたのは、「心と体の在り方を自分自身で見直していたこと」でした。

私は驚きました。医師の手を借りることなく、いやむしろ医師が勧める方法とは全く違う方法で、かつて誰も治すことのできなかった大きな山を患者自身が動かしていたのですから。

自分で治そうとする力にはこれほどまでに大きな力があるのかと気付いた瞬間に、私は今までの医療の方向性が大きく間違っていたことにも気付かされました。

つまり医師の仕事は患者が治すことではなく、「患者が治るのを手伝うこと」だということです。

自分で治る力を「自己治癒力」と言いますが、私達医療者はその存在に気付いてはいるものの、実は自らの行いが「自己治療力」を阻害しているとはよもや考えもしませんでした。

「自己治癒力」を阻害する最大の要因は、自分で治ろうとする行為を邪魔することです。

言い換えれば、「医師が治療の主導権を持つこと」「自分では何も見直そうとしなくていい環境を医療者が準備してしまうこと」なのです。

誰かに任せることで自分の中にある根源的な病気の原因を見直さずに済む状況が続くことで患者はどうなるのかと言いますと、

自分で治すために必要な「自己治癒力」をどんどん使わなくなり、その衰えが限度を超えた時に、

私達の身体はもはや治すことのできない難病の状態へと陥ってしまうのではないかと、

もっと言えば生活習慣病は難病へとつながっており、ほとんど全ての病気は自己治癒力の喪失に由来するといっても過言ではありません。

病気を治すには自己治癒力はなくてはならないものなのです。

だから私はまず医療の枠組みを「医師に治療の主導権がある」状態から「患者に治療の主導権がある」状態に変えるべく、

従来の病院とは全く違う医療の場を作る必要がありました。

病気を治すために何をすべきかわからないでいる患者へ、具体的に何をすべきかを伝えていく場です。

そしてやり方を教えても自力で克服できない問題に対して時には手を差し伸べて一緒に問題の解決を目指すための場です。

やり方を伝え、サポートをすることであとは患者が自分自身の「自己治癒力」を発揮して病気を治すというスタイルであれば、

オンラインの技術を使うことで、たまたま近くに住んでいて私の元へ通うことができる患者以外にも、もっと多くの患者へ病気を克服する可能性を提供することができるでしょう。

これを一部の地域だけの話にしたくはありませんでした。医療全体の構造を変えるためには「オンライン診療」の仕組みが必要不可欠だったのです。

「医者が患者を治す」から「患者が治るのを医師が手伝う」へのパラダイムシフト、

それが私のオンライン診療クリニックの理念です。

たがしゅう