吉本興業の小藪一豊さんのポスターで話題になった「人生会議」、
要は伝えたかったのは、「人生の最期をどう過ごしていきたいかをみんな元気なうちに考えておきましょう」ということだと思います。
闘病中の人を茶化すようで不謹慎だという人の気持ちもわかりますが、本質的なメッセージがそれてしまってはそれもまた勿体ない話です。
「縁起でもない」と敬遠されがちなこの話を本人を取り巻く家族は勿論、それを支える医療関係者も交えて、
節目節目に何度も繰り返して軌道修正しながら決めていくプロセスが望ましいとされています。
このプロセスのことをACP(アドバンスケアプランニング)と言うのですが、
ここでふと思いました。オンライン診療医は誰かのACPに参画できるのかと。
これは私の個人的な感覚で皆が皆そうは思わないかもしれませんが、私はオンライン診療医がACPに参画するのは難しい気がします。
なんとなくですが、ACPに参画する医師は実際の最期の瞬間に立ち会うことを念頭におく立場にいないと、
発する言葉に説得力もなければ、どこか他人事で信頼を得られにくいのではないかと思うのです。
言い換えれば終末期医療というのは医療の中でも受動性が高くならざるを得ない分野であって、
主体性と相性のよいオンライン診療でカバーするのはかなり無理があるのではないか、ということです。
勿論、それを患者さんが強く求めれば断るような話ではありませんが、
そうなるまでには相当の信頼を獲得する必要があるような気がします。
自分でやれることの限界をやる前から決めてしまうのはよろしくないとは思いますが、
そうは言ってもオンライン診療と相性の良い分野かそうでないかを意識しながら活動していくことは大切なことではないかとも思います。
たがしゅう