オンライン診療での診療ツール「対話」の技術を高めるのに哲学カフェは有用な場だという話をしました。
医師が患者を特定の方向へ強制するのではなく、患者が進みたい方向へつかず離れずで寄り添いながら危険な方向へ向かった時だけ手を差し伸べて、
それ以外は見守る勇気を持ちながら、患者が主体的に考えて心と体を治癒へと向かえるようにさりげなくサポートし続ける技術です。
これは簡単なことのようで、実はとても難しいことだと思います。ある意味で医師の価値観を患者に押し付けることの方がよほど簡単なことです。
それを決してせずにたとえ失敗するとわかっていたとしても、口を出さずに見守る勇気、その代わり失敗した時にはなぜ失敗したのかを一緒に考えて、次は失敗せずに済むように助言する良きコーチのスタンスが主体性を育むのに重要だと私は思います。
「教えない部活動」の指導で有名となり、弱小だった広島・安芸南高校サッカー部を県大会ベスト8レベルまで実力を押し上げた畑喜美夫監督の「ボトムアップ理論」にも通じる話であるように思います。
考えてみれば、医療における医師と患者との関係性は「トップダウン」の極致と言っても過言ではありません。「先生にお任せします」「素人だからわかりません」の患者さんからよく聞く二大ゼリフがそれを象徴しています。
患者は思考力を放棄し、そして医師もまたエビデンスという名の偽りの科学に従って、これまた個別性を無視した医療を行うよう思考停止してしまっています。
本当は患者自身が自分の病気を治すための行動を起こす所までうかつに手を出すべきではないのです。
つかず離れずの距離で患者を見守る、しかし患者が自分を求める限り決して見捨てない、さりとて決して依存させないような関係性、
そんな距離感を保つのにオンライン診療の場は適しているのではないかという気が致します。
たがしゅう
見守る勇気・患者が自分を求めている限り決して見捨てない、さりとて決して依存させない関係性
ぐっときました。
あたたかく深〜い海のような医師ですね、たがしゅう先生は。(海はあたたかく恵みを与えてくれるだけではなく、厳しさもある。)
今まで私は、主体性を持った患者さんに出会ったことがありません。それはきっと、「偽りの科学に従った、個別性を無視した思考停止の医療」だったのもあるのかな?と思いました。
臨床で働いていると、楽なんです。思考停止状態は・・・
糖質制限と邂逅し、自分で実践し、その凄い前向きな効果を体感し、日々うきうきと上機嫌で生活していると、理想と現実の乖離に唖然としてしまいます。
私の周りの医師やコメディカルにもなかなか理解してもらえない糖質制限。
孤独を感じた時もありましたが、今はスマートフォンという素晴らしいツールがあるから、幸せです。
新しい試みに挑戦するたがしゅう先生や糖質制限という分野をビシッと確立された江部先生は、私にとってまばゆい希望です。
心から応援します!
いわき市 さん
コメント頂き有難うございます。
確かに身の回りに理解者がいなくとも、スマホを通じて理解者とのつながりを感じられる時代になりましたね。スマホの功罪も取り沙汰される中ですが、確かにメリットが存在していると思います。こうした技術を上手に使っていきたいものです。
「思考停止は楽」、その通りだと思います。そしてエビデンスは思考停止をもたらす格好の材料です。私はエビデンスよりも目の前の患者さんにとって本当によいかどうかにこだわり続けたいと思います。応援頂き心より感謝申し上げます。