「フクロウ型体質」とオンライン診療

とある漢方の勉強会でオンライン診療向きかもしれない病気について学びました。

正確には「病気」というより「病気とまでは言えないけれど、治療すべき対象として扱うべき状態」なのですが、

それは「フクロウ型体質」と呼ばれる体質から来る体調不良のことです。

フクロウと言えば夜行性の動物なわけですが、この「フクロウ型体質」とは、異常に朝起きが苦手で、午前中にはなかなか元気に活動することが難しい感じとなる体質の持ち主として、

現代漢方界の偉人、山本巌先生(1924〜2001)が初めて認識され命名された言葉です。

周りからは怠け者の扱いを受けやすかったり、本人もそうした責めを受け続けることで自責の念にさいなまれやすく、

さりとて西洋医学中心の一般的な医師に相談しても、あまり病気だと取り合ってもらえず、

取り合ってもらえたとしても、自律神経失調症、起立性調節障害、本態性低血圧症などのあまり有効な治療法がない診断となることが多い気の毒な状態です。

山本巌先生によると、実は全体のおよそ2〜3割くらいには「フクロウ型体質」の人がいるそうで、

登校・通勤・家事などの日常生活に支障をきたし、不登校となっているこども達の中にも実は隠れていることが多いのだそうです。

そんな辛い状態なのに、やっとの思いで病院に受診しても「検査では異常ありません」などとあしらわれたらなお辛いですよね。

漢方薬ではこの「フクロウ型体質」に対して「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」という漢方薬が効く可能性が高いです。

勿論、100人が100人に効くとは言い切れないものの、「病気」ではなくとも「治すべき対象」としてきちんと捉えてもらえるということ、

そして具体的な治療法を提案してもらえるという点で、こういう患者さんは漢方診療による恩恵は非常に大きいのではないかと思っています。

ただこの「フクロウ型体質」を治療してくれる医師、これに対応してくれる医師は全国的には少数派で、

フクロウ型体質の治療を公言しているとある病院の外来受付は半年先まで予約いっぱいなのだそうです。

そんな時に直接触って診察はできないハンデはあるものの、

ひとまず急場をしのぐ手段としてオンライン診療というツールはひとつの選択肢となるのではないかと思います。

ましてや朝起きが辛く、日中の病院受診が億劫となり、なおかつ病院で軽くあしらわれるかもしれない患者さんにとってのオンライン診療は非常に福音となるのではないかと私は考える次第です。

これは一例ですが、そのようにオンライン診療向きの病態とそうでない病態があり、

どのように住み分けしていくべきかを考えていくのも今後の課題だと感じています。

たがしゅう

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