私がオンライン診療中心のクリニックで患者さんを診る際には
他院からの紹介状がある場合とない場合との2種類のパターンがあると思います。
紹介状はあるに越したことはありませんが、無くても問題ないような診療スタイルで臨むつもりです。
つまり基本的に検査を使用することなく、患者さんのお話をしっかりと聞くことによって、
その人の現在の状態を把握して、問題となる生活行動や心の在り方を指摘し改善につなげ、
それでも改善し切れない問題がある場合は、診断が不明であっても、状態によって薬を選択することができる漢方薬やホメオパシーなどの薬やサプリメントを利用するスタンスです。
その患者さんの状態を把握するための手段の一つとして、紹介状があれば利用するというだけのことで、
なければないで他の手段を用いて状態の把握に努めるだけです。
仮に紹介状がなくても、病名くらいは患者さん自身が把握していることもあると思いますが、
病名だけでも患者さんの把握に役立つことがあります。
私は全ての病気は過剰適応か消耗疲弊の2病態、およびその組み合わせで表現されると考えています。
過剰適応とは正常の機能が過剰に働き過ぎて害をなしている状態、
消耗疲弊とは正常の機能が衰えることによって害をなしている状態のことです。
当たり前かと思われるかもしれませんが、どちらの病態かによって緊急避難的に用いる薬の使い方が変わってくるので重要であるわけです。
例えばがんなら過剰適応病態が主体、うつ病なら消耗疲弊病態が主体、
関節リウマチなら過剰適応病態が主体だけれど消耗疲弊病態が混在したり、主体がそちらへ移行する段階もあるとか、
パーキンソン病ならその逆で消耗疲弊病態が主体だけれど初期なら過剰適応病態がメインの段階もある、など、
大雑把な病態の把握が可能となります。
勿論、何が過剰適応や消耗疲弊の原因となっているのかについては患者さんから根掘り葉掘り状況を聞かせてもらう必要があるので、
結局は患者さんに詳しく問診することにはなるわけですが、
状態の把握するための一助とはなってくれると思います。
とは言え、あくまでも一助、病名が分からないと治療できないような診療は、
しないようにしたいと私は思います。
たがしゅう