前回、オンライン診療における検査は必ずしも必須でないという私見を述べましたが、
では検査というのは全く無意味なのかと言われたらそういうわけではありません。
ここでも重要になってくるのは主体性の問題です。
検査というものを、あくまでも自分の状態を知るための一指標として利用するのであれば一つの方法だと思います。
ところが検査を自分では発見できない異常を「検査してもらう」というスタンスで利用することは私はお勧めしません。
メインブログの方で私は以前、「非検査のススメ」という記事(https://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-623.html)を書いたことがあります。
この記事の趣旨としては、検査の異常を判定するのは従来型医療の医師であり、
その医師はあなたの体調やあなたの思考、あなたの生活背景やあなたの文化的価値観、コンプレックスなどの情報を一切持たずに、
従来医療の常識に従ってその検査値異常に対する対処行動を勧めてくることになるので、
従来常識に沿えば、ほぼ間違いなく糖質制限を勧めてくることはないですし、
そのような形で検査を利用するとかえって健康を害する結果にもつながりかねない危険性があるということでした。
ところが検査を実施して、その判断を自分で行うということになれば事情は全く変わってきます。
自分であれば、自分の性格も体調も思考のクセも生活背景も、文化的価値観もコンプレックスもすべてを把握している、もしくは把握できる可能性があるはずです。
例えば検査で血糖値が高いという異常が出てきた場合も、
糖質摂取をしているのであれば糖質摂取のせいだと自分で判断できますし、
糖質制限をしているのに血糖値が高いのであればストレスがかかっているかもしれないと考えることもできます。
ならば糖質をコントロールしたり、思い当たるストレスに対して対処してみたり、考え方や人間関係、働き方を見直してみたり、
決して他人の医師には気づきようもない具体的な対処方法に気づく可能性が出てくるはずです。
そんな風に主体的な姿勢を持って検査というものを利用するのであれば私は大いに結構だと思います。
端的に言えば、わからないから「検査してもらう」のではなく、
自分を知るために「検査を利用する」というスタンスが望ましいと思います。
とはいえ、そういうスタンスで検査を利用するといっても、
自分がその検査値について正しく解釈ができるかどうか自信がない、という方も多いのではないかと思います。
そういう方に対して、オンライン診療は二つの方法を提案できます。
一つは健康診断でも総合病院での定期検査でも、
よそで受けた検査の結果をオンライン診療の時に提示し、その結果の解釈についてオンライン診療医に相談するということです。
この時に対応するオンライン診療医があなたの価値観に合致する医師であれば、
自分一人で判断するよりも、より自信が持てる解釈に辿り着くサポートとなるのではないでしょうか。
もう一つはオンライン診療でも実施可能な検査を受けるということです。
実は病院でなくても自宅で指先での少量の血液で実施できる検査サービスというのも世の中にはあるのです。
たとえばこちらです。
こうしたものを活用すれば、勿論病院で行うほどの細かい検査はできないかもしれませんが、
わざわざよその病院を受診することなく、検査を利用することが可能となります。
このようにオンライン診療においても、検査というものを主体的に利用するという姿勢を持つ事によって、
自分を知るためのツールとして利用することができるようになると私は考える次第です。
ただし、あくまでも補助的ツールであり、基本はくどいようですが「体調」です。
オンライン診療でも検査できるからといって、知らず知らずのうちに検査絶対主義へと陥らないように、
あくまで「体調絶対主義」で健康管理に取り組んでもらいたいと私は思います。
たがしゅう
興味深く読ませていただきました。
自己血糖測定を自費で行なっている糖尿病患者がオンラインで結果を送信して、診療を受けるというケースを考えてみました。
穿刺だけでなく、freestyleリブレの連続血糖測定も行なっている。
食事記録や日常生活の記録も行なっている。
この患者が主体的に自身の生活習慣を変えるための有益なアドバイスをオンライン治療で得ることができれば素晴らしいと思いました。
糖質制限に理解のないドクターが主治医の患者の場合、大きな助けになると思います。
また、入院時の食事や点滴の糖質量に配慮して欲しいという紹介状なども可能になるのかなと想像しました。
たかいく さん
コメント頂き有難うございます。
糖質制限への助言や検査の解釈サポートに加え、御指摘の紹介状作成なども、できることは何だってやっていきたい考えでございます。
こんにちは。
私の行動範囲ではどうかと「ゆびさきセルフ測定室ナビ」調べてみたら、徒歩5分のドラッグストア内の調剤薬局でやっていました。検査の種類にもよりますがこの位の金額なら利用できそうです。
色んなサービスの利用はオンライン診療の実現に繋がりますね。
花鳥風月 さん
コメント頂き有難うございます。
そのようにオンライン診療でも検査は不可能ではないわけですが、検査を何のために行うかという利用者側の意識が一番大事だと私は思います。