私が本来患者さんに提供したい診療スタイルは、
通常の病院医療のそれとは実は随分異なります。
一言で言えば、「西洋薬を使わない医療」です。
なぜそれを施したいのかと言えば、その方が患者にとって安全で有益だと考えているからです。
基本的に西洋薬とは薬効のある単一成分を抽出し製剤化した薬ですので、
その効果の現れ方は急峻です。平たく言えばよく効く薬ですが、
よく効くということは、よく副作用が出るということです。薬と毒は紙一重とも言えます。
つまり西洋薬とはそれ相応のリスクと引き換えに恩恵を得ようとする、なかなかチャレンジングな薬だということです。
今の病院医療では、実はそんな治療が標準的と称して漫然と行われているということにある時私は気付いたのです。
では私の理想とする医療はどうするのかと言いますと、
基本は食事療法とストレスマネジメントです。体と心を本来あるべき形に戻すことです。
これが最も根本的で安全な治療手段だとまずは考えています。
そしてこれらの指導で克服できない健康課題がある時には、西洋薬よりも比較的安全性が高い漢方薬やホメオパシーといった代替医療を検討します。
そうすることで西洋薬を用いる一般的に病院医療よりも安全でかつ多彩な病態に対応できる医療が展開でき、
これがオンライン診療に非常にマッチした診療スタイルだと私は考えているのです。
ところが私が保険医療制度が敷かれた病院医療の枠組みの中で働いている限り、
いくら私がそのような診療スタイルを希望したところで、
病院に来院する患者さんは普通に西洋薬を求めるし、
漢方薬ならまだしも、非科学的というネガティブなイメージが先行しがちなホメオパシーを提案しようものなら、
最悪の場合医師患者関係の崩壊へとつながりかねません。
つまり自分の理想の医療を行うためには枠組み自体を変える必要があると、
オンライン診療は私の理想の医療を作り上げていくためのきっかけを与えてくれたと思っています。
たがしゅう