主体的医療を推進するための場は何も診療の場だけに限らないと私は考えています。
要するに自分の頭で考えることの重要性が伝わればよいと思うので、
私が好んで行なっている哲学カフェも主体的医療を広めるための一部だと考えています。
先日はこの哲学カフェをオンライン上で執り行うという試み「たがしゅうWEB哲学カフェ」を、
たがしゅう哲学カフェに入って頂いているメーリングリストのメンバーに対して実験的に行ってみました。
やってみた感想としましては、オンラインコミュニケーションでも哲学的対話はルールを守れば十分成立するということ、
もう一つはオンラインだと顔出しに対抗が出る人が多いということです。
なぜ顔出しを避けようとするのかに関しては慣れの問題もあるのかもしれませんが、
何となく未知のやり方に対する不安といったものから身を守ろうとしている側面もあるかもしれません。
特に不特定多数の人に、しかも自分だけが誰かわからない人に見られる不安感というのはあるのだろうと思います。
ところがそのデメリットを押しても、オンライン上で哲学カフェを開くことにはメリットがあるように感じました。
哲学カフェの意義の一つに多様な価値観を知る、というものがあると思います。
また意見がないように思っていても、その問題についてじっくりと他の様々な余計なことから開放されて考え続けることによって、
不確かであっても、あいまいであっても、そこに確かに自分の考えの芽のようなものが芽生えるということに気づけるということもあると思います。
その意見が生み出される瞬間を共有することによって、
自分でも考えればできるという勇気がもらえる側面もあれば、
多様な価値観に触れることで自分自身の考え方も軌道修正させられる側面もあるように思います。
このように誰にも共通する主体性の芽に自然な形で気づかせてもらえるのが、
哲学カフェの不思議な魅力だと私は考えています。
それがオンライン上でできるともなれば、可能性はさらに広がっていきます。
主体性を育てる場の準備はできました。
後はそこに足を踏み入れるかどうかの判断はその人の主体性に委ねたいと思います。
私は場を提供し続ける人でありたいと思います。
たがしゅう