オンライン診療が当たり前のこととなった未来の世界を想像することがあります。
未来の世界ではオンライン診療を行う医師達は自分が提供する個別性のある医療内容についてネット上に情報開示をしていて、
患者さんは普段通う対面でのかかりつけ医を持ちつつ、
その診療だけで健康管理が不十分な場合には、さらにそのサポートをするオンライン上のかかりつけ医を、
数あるネット上の情報の中から自分の考え方と合致する医師を選び、
それぞれの患者さんが自らの健康管理の質を高めているという姿を夢見ています。
言ってみれば、医療の世界にも経済の自由化が持ち込まれるといったところでしょうか。
この考え方に違和感を感じられる方もきっと多いのではないかと思いますが、
よく考えてみれば、実質的に選べない今の医療の方がおかしな状況にあるということに気づくことができるのではないでしょうか。
今でも患者さんはネット上から好きな医療機関を選べると思うかもしれませんが、
その際病院を選ぶときの基準は、どのくらいの規模か、とか、何科の医師が在籍しているか、とか、
専門医はいるのか、とか、手術の件数はどのくらいなのか、とか、家から近いのか、とか、得られる情報はそうした周辺情報ばかりで、
どのような医療を提供してもらえるのかに関する情報は行ってみなければわからないですし、
実際問題はどこの医療機関に行っても大差はないのが実情です。なぜならほとんどの病院・クリニックは国によって診療内容が定められた保険医療機関であるからです。
まとめると、選択肢はたくさんあるように見えても実際はほとんど保険医療の一択しか選べないというのが、今の医療の現状なのです。
せっかく情報がこれだけ革命的に自由に行き来できる環境が出来上がったのに、
医療業界だけ極めて鎖国的な状況にあるというように私は思います。
少数の自由診療医師がその状況に抗してはいるものの、その内容も玉石混交で、高額・一部の人しか活用できないというイメージも拭えていないようにも思えます。
そうした偏った状況にオンライン診療の普及は風穴を開けうるのではないかと私は考えています。
そのためにはオンライン診療でも、いやオンライン診療だからこそ質の高い医療を展開できるということを私が証明する必要があると思います。
誰もが自由に受けたい医療が当たり前に受けられる世の中にするために、
私はこれからもオンライン診療について熟考していきたい考えです。
たがしゅう