オンライン診療における風邪のジレンマ

たまに当直のアルバイトをしていると、夜間に風邪を引いたといって救急外来を受診される患者さんと出会います。

働き盛りの世代の方で、どうせ来るならこんな遅い時間ではなくて、検査などもできるもっと明るい時間に来ればいいのにと思ったりもしますが、

現場でバリバリ働いている人にとっては仕事を休んで病院に行くというのは、かなりハードルの高いことなんだろうなと改めて感じました。

こんな時にオンライン診療は仕事を休まずに通常受診ができるという強みがあります。

ただしオンラインなので検査を行うことはできません。あくまでも問診や視診、バイタルサインのみでの判断となります。

そして薬を即座に出してあげることができません。場所にもよりますが、薬が手元に届くまでに1〜3日かかるし、薬自体が取り寄せとなればもっとかかります。

そうなると風邪はもう治っている可能性もありますし、こじらせていたとしても使うべき薬が変わってしまっている可能性が大です。

折角、すきま受診のニーズに応えられるオンライン診療なのに、肝心の薬を迅速に提供することができないというジレンマです。

オンライン契約患者にあらかじめ置き薬を与えておくというのは一つの案ではありますが、毎回その置き薬で治せるパターンの風邪を引くとは限りません。

そうなればあとはドラッグストアにおいてあるOTC薬を利用するという作戦です。

私は漢方医ですので、風邪に対しては漢方薬を勧める場合が多いです。

OTC薬は処方薬の漢方に比べて成分は1/2〜1/3と少なく、かつ値段が高いというデメリットはあるのですが、

私が出したいと思う漢方薬がOTC薬として売られている場合もあります。

そのOTC薬を私の薬が到着するまでのつなぎとして飲んでもらうという作戦があると思います。

勿論医師の裁量でそのOTC薬の効果が1/2ならば2倍にし、1/3ならば3倍にして帳尻を合わせる工夫は必要はありますが、

それでもオンライン診療ですぐに薬を使い始めたいというニーズには応えられるのではないでしょうか。

ただしこの作戦の弱点は、私の望む漢方薬が患者さんの近所のドラッグストアに必ずしも置いてあるかどうかがわからないという点です。

その店舗に置いてなければ結局取り寄せとなり、私の漢方薬が自宅に届くのを待つのと大して変わらなくなってしまいます。

やはり急性期疾患には弱いと言わざるを得ないオンライン診療ですが、

その弱点を少しでも埋め合わせることができるよう知恵を絞っていければと考えています。

たがしゅう

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