オンライン診療の普及活動については医師達だけでなく国も関わって様々な立場から議論が繰り返されてきています。
去る4月24日に中央社会保険医療協議会総会という会でオンライン診療の話題が取り上げられたそうです。
(以下、引用)
議論になったのは生活習慣病対策で、支払側委員が通院の利便性のためにオンライン診療推進を求めたのに対し、診療側委員は「利便性のみに着目してオンライン診療を語るのは慎重に考えるべきだ」などと反対した(資料は、厚生労働省のホームページ)。
確かに、「便利だから」というだけの理由でオンライン診療を利用されることは私も反対です。オンライン診療には確かにデメリットが存在します。
「直接触れて診察を受けることができない」「急変時に対応が困難」「あまり検査を行うことができない」などが代表的なデメリットですが、
それらを踏まえた上でもそれでもオンライン診療で診てもらいたいという患者ニーズが存在する場合、オンライン診療の選択肢は広く開かれるべきだと私は思います。
「何かあったら責任がとれないから」というのはこういう新しいことを広めていく場合のよくあるパターンですが、
その発想は患者治療の責任を医師ベースに置きすぎるが故に生まれるものだと私は思います。
逆に言えば、今までの医療が医師側にすべてを委ねられ過ぎていたということの裏返しでもあります。
私はオンライン診療を通じて、医師と患者それぞれに責任があると考えられるべきだと思っています。
つまり本来診療には、患者自身が取り組む主体的な部分と、医師が介入する受動的な部分とがあり、
前者の責任は患者中心、後者の責任は医師中心として考えられるべきであり、
決して医師だけに全ての責任がかかると考えられるべきではないと思うのです。
そしてオンライン診療では患者がそのデメリットを理解した上で主体的な姿勢を持って自己責任で利用されるべきなので、
医師に全責任を委ねるというスタンスの人は利用すべきではないと私は思います。それこそトラブルの元です。
もちろん医師の責任を放棄しているわけではありません。私は私が行った医療行為に当然責任を持ちます。
ただ悪くなったら医師が全て責任を負うべきだというのは明らかにおかしいと思いますし、
自分の健康の話です。自分が中心に責任を取るのが筋だと私は考える次第です。
たがしゅう