「ヤバさ」を見抜く力

オンライン診療に特化したクリニックをすると聞いた医療関係者の方の中には、

表立っては言わないものの、内心では「たがしゅうがやばい方向に進んだな」と思っていらっしゃる方もきっとおられるのではないかと想像します。

なぜならば検査もろくにできないようなオンライン診療の場で、正確な診断などつけられるはずもなく、

ということは診断がつきさえすれば治癒可能な病気もみすみす見逃すこととなり、

いずれ診断を見落としすことで患者とトラブルになり訴えられるだろうと、そう思われても不思議ではないと思います。

しかしそれに対して私が言いたいのは、基本的に従来型医療と私の運営するオンライン診療とは考え方が根本的に違うのです。

オンライン診療はあくまでも患者の「選択肢」として存在する場だと考えています。

確かに正確な診断をつけるのは病院中心型文化でこそのなせる業でしょう。

しかし私のオンライン診療クリニックでは診断をつけることにはこだわりません。

なぜならば全ての病気は外傷と先天性疾患を除いて根源は共通しているという立場をとっているからです。

従って、患者さんが何の病気であろうと、あるいは診断がついていない状態であろうと、困っている人には共通する診療原理で対応するのが私のやり方です。

その私のやり方に興味のある人だけが私のオンライン診療を利用し、

有用だと思えばそのまま利用すればよいし、役に立たないと思えば静かに離れればいいと思います。

また訴えられるかどうかというのは、私と患者さんとの間でのコミュニケーション次第だと感じています。

勿論、治せる病気に私が気付かずに見逃した場合、いくら人間関係が良好であっても私に怒りの矛先が向く可能性は否定できません。

例えば、副腎クリーゼという病態がありますが、これは血液検査でコルチゾールの基礎値の低下、あるいは迅速ACTH負荷試験という検査でコルチゾール分泌予備能の低下が示されることで診断されます。

副腎クリーゼならヒドロコルチゾンというステロイドを注射することで症状は改善しますが、それを行わなければ最悪死に至る病態です。

ただオンライン診療で副腎クリーゼであることが見抜けなかったとしても、「これはヤバイ」という感覚さえわかれば、とにかくすぐ病院に行くよう指示することはできると思います。

副腎クリーゼの症状は全身倦怠感とか食欲不振、胃もたれや吐き気などの消化器症状、発熱、関節痛などありふれたものばかりです。そうした症状を呈する病気は他にもたくさんあります。

なので正確な診断よりも「これはヤバイ」を見落とさない能力がオンライン診療においては重要になってくるのだと私は考えています。

もっと言えば、それは一般のクリニックでも同じ事が言えると思います。全て診断がつける事ができるほど検査機器が充実しているクリニックはないと言っていいと思います。

だからクリニックでは正確な診断をつけることよりも「ヤバさ」を見抜き、必要に応じて大きな病院を紹介できる能力が必要とされています。

オンライン診療もそれと同じであり、診断をつけることができなくとも、その「ヤバさ」をきちんと見抜けるかどうかが大切なことだと私は考える次第です。

たがしゅう

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