対面診療ニーズとオンライン診療ニーズは対極的

今、私が直接対面診療している患者さんに、

オンライン診療の話を持ちかけてみることがありますが、

かなりの確率で利用を拒否される現実があります。

その理由は「難しそう」だとか、「ちゃんと診てもらえるかどうか心配」といったものが多いのではないかと想像します。

こうした事実を見ていて私は、オンライン診療を望む患者は、対面診療を望む患者と対極に近い関係にあるように思えてきます。

つまり対面診療中の患者にオンライン診療のメリットをいくら熱心に語ったところでのれんに腕押しだということです。

なぜならば、対面診療の希望者はそもそも、病態の立地や専門性に従って病院を選んでいるわけで、

遠隔で医療を受けたいというニーズがあるわけではもともとないからです。

ではオンライン診療の有望性はないのかと言いますと、決してそういうわけではないと私は考えています。

遠隔でのオンライン診療ニーズがあるとすれば次のような場合があります。

①オンライン診療を行っている医師に興味がある
②近隣の病院ではやっていない自分の望む医療を受けたい
③普段病院が開いていない時間帯に診察を受けたい
④周囲の目を気にせず、信用できる医師にじっくり話を聞いてもらいたい

逆に言えば、オンライン診療を受けない人のパターンとしては、

①きちんと診てくれる先生(医師)なら誰でもいい
②自宅の近くにある病院の方が便利でいい
③病院でしっかりとした検査をしてもらい治療を受けたい
④とにかく自分の症状を早く治してくれる先生がいい

上記を踏まえると、オンライン診療を広めていくためには、対面診療で出会う患者さん達に勧めることは非効率だと感じられます。

①とにかく興味を持たれる医師となる
②一般的な病院医療とは違う診療スタイルを明示する
③一般的な病院が開いていない時間帯に門戸を開く
④患者の病の原因を知るために十分な時間を取る体制を作る

②〜④は開業後に実行できることですが、

①は今からでもできることでかつ、まだ私には圧倒的に足りない部分だと思っています。

そしてそのアピールの場は対面ではなく、やはりネットが中心となることは言うまでもありません。

私は私に興味を持ってもらえる努力を続けたいと思います。

たがしゅう