週末は日本オンライン診察研究会という団体が主催するミニ勉強会に参加しておりました。
講師は千葉大学医学部附属病院の清水英司先生で「オンライン診療での認知行動療法」に関する研究とその成果に関する内容でした。
認知行動療法というのは欧米を中心に発展してきた主として精神疾患に対する治療法のことで、
ある状況を歪んだ形で認知してしまった人がそのせいでストレスを感じ、様々な精神症状へと発展してしまう悪循環を断ち切るために、
状況の捉え方を変えて、変わった感じ方によって行動を変え、結果的に精神症状の元となるストレスの感じ方を軽減させることができるという指導になります。
これをオンライン診療の中で行い、不安症状や強迫症状に対して対面診療に比べて明らかな効果があり、
これが論文にまとめられ、JMIRというオンライン診療領域で権威のある医学雑誌に掲載されたということでした。
海外ではこうしたオンライン診療による認知行動療法のことをvideocomference cognitive behavioral therapy(vCBT)として一足先に広まってきているようです。
いわゆる精神疾患の患者さんは対人恐怖や過度に緊張しやすいなどの特徴があったりして、
対面診療のために通院するのが難しかったりすることも多いようなので、オンライン診療との相性はよいということなのかもしれません。
私の想定するオンライン診療もストレスマネジメントがその主軸を担うので、
その背中を押してもらえる有益な情報であったように思います。
それと同時にこうした論文が蓄積されていくことで、
医学におけるオンライン診療の役割も見直されていくことを願うばかりです。
たがしゅう