チャットを有効活用する

たがしゅうオンラインクリニックへ一度つながった患者さんは全員、

24時間いつでも私にチャット機能を用いて連絡を入れていいというルールを設けました。

チャット機能は現在のネット社会が生み出した非常に優れたツールだと私は考えております。

電話では気が引けるような場面でも、チャットならかなり伝えやすいですし、

メールで行うような緊急性の低い要件でも、チャットであれば比較的相手に早く伝わるということも期待できます。

要するに電話とメールの長所をいいとこどりしたような存在がチャットではないかと思っています。

しかしその反面、チャットはつながり過ぎることの弊害も社会の中で問題となっていると思います。

LINEでの既読スルーに始まり、友達としてつながらなければならないプレッシャー、そこから生まれるいじめの構造、

そしてオンライン診療において24時間チャットをオープンにし続けることは、多くの利用者から、もしくは一部の節度のない利用者からという可能性もありますが、引っ切り無しの多数の連絡に対応する時間に追われ続けるリスクは確かにあるでしょう。

ましてや私の場合チャット機能は無料で無制限に使用してよいことにしています。こうなると、本業のオンライン診療の方が利用されず、安上がりにするためずっとチャット機能で済ましてしまう患者さんも出てくるかもしれません。

しかし私はそのリスクを押してでも24時間チャットオープンをできるだけ維持したいと考えています。

理由はまず24時間チャットオープンによって、患者さんの安心感が圧倒的に高くなるということがあります。

それともう一つは「ギブ&ギブ」の発想です。与え続けることは様々な意味で私自身が与えられることになるであろうということもあります。

急に話は飛びますが、お笑い芸人のキングコングの西野さんが、作られた絵本を無料公開したり、著書を無料で読めるようにしたり、

それでも絵本や著書が売れるという現象を現実に示されたと思うのですが、

私の24時間チャットオープンの発想もそれに近いものがあります。

つまり24時間チャットオープンで私の人となりやコミュニケーション能力に実際に触れてもらう事によって、

さらに深く時間を取って患者さんとのコミュニケーションをとることができるビデオ通話でのオンライン診療にさらなる興味を持って頂ける可能性は十分にあると思っています。

それにチャットだけではどうしても伝えきれない情報はあるものです。

無料だからと言ってもずっとチャットをやり続けていれば、患者さん自身が限界を感じてしまうのではないかと思っています。

勿論、あくまでもこれは現時点での構想であって、実際に24時間チャットオープンで回し切れない状況になるかもしれませんが、

そうなったらそうなったでその時に見直せば済む話で、今の時点でそのことを憂慮し過ぎなくていいように思います。

そのように臨機応変にオンラインクリニックを運営していきたいと思います。

たがしゅう