出張オンラインクリニックの可能性

オンライン診療において初診を対面診療で行うというのは、

現時点で保険診療であろうと、自由診療であろうと遵守しなければならない絶対的ルールです。

なぜならば医師法第20条の無診察治療等の禁止に係る規定に抵触する可能性があるためというのがガイドラインを管轄する厚生労働省の見解です。

例えば、初診からオンライン診察を行った場合に、あまり考えたくはないことですが、

自分の名前を偽って利用するというのを医師側が見抜くことができない可能性があり、

その場合、実際には診察を行っていない患者に、知らず知らずのうちに診察を行ってしまう可能性がないと言い切れなくなってしまいます。

ですからオンライン診療というもののメリット・デメリットをきちんと確認しつつ、

確実に本人確認を行うという意味において、オンライン診療は原則初診対面で行うというのは一定の妥当性はあると思います。

そうすると、例えばの考え方ですが、

患者さんに私のクリニックへ最低1回は来て頂くという発想とは別に、

私が1回だけ東京や大阪などアクセスのよい主要都市に臨時の出張クリニックの場を作って、

私のオンライン診療を希望する、もしくは使うかもしれないのでこの機会に私とつながっておくというのは一つの方法としてアリかもしれません。

オンライン診療を行う場としては所属さえはっきりとしていれば、

患者さんのプライバシーを守ることができる防音などの観点も踏まえて安全性が確保された空間であれば実施可能とのことです。

そうした条件を満たすレンタルスペースをオンラインクリニック出張所として臨時開業をすれば、

原則初診対面のハードルを少しだけ下げることができるかもしれません。

新しい試み故にいろいろ考えなければならないことは多いですが、

今の体制では満たせない医療ニーズを満たせるよう奮闘していきたいと思います。

たがしゅう

「出張オンラインクリニックの可能性」への2件のフィードバック

  1. おはようございます。
    例えば、一度でも先生の診断を受けていれば
    初回対面と同等の扱いになるという可能性はないのでしょうか。受診した病院が違うとそれは難しいのかとの思いもありますし、先生が病院からデータやカルテの内容を持ち出すのはもちろん無理なのは分かります。が、患者本人が自己データを提示するのは問題ないですよね。検査結果には受診日と先生のお名前が必ず記録されています。
    医療の仕組みに詳しくないゆえの発想です。
    どうでしょう。

    • 花鳥風月 さん

       御質問頂き有難うございます。
       その点は私も配慮したいと思っています。

       新クリニックでの対面診療経験がなくとも、過去に私の対面診療をどこかで受けておられる方は事実上原則対面初診の原則をクリアできているものとして、例えばWEB上で同意書を記載してもらえれば、新クリニックでのオンライン診療予約が可能となるなどのシステムを導入したいと考えています。

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