私が時々言われることの一つに、「先生は医者なのに気軽に話せてありがたい」というものがあります。
ありがたいと思う反面、普段医者がどれだけ話しにくい存在と思われているのかという点で複雑な気持ちにもなります。
「気軽に相談事ができる医者の存在はレア」
これもまた私をオンライン診療の開業に走らせる要因のひとつです。
だいたいが、医者はそれだけで無条件で「先生」と呼ばれる職業です。
「先生」相手だと、普通の感覚だと気を遣いますし、実際に話しにくい空気が醸し出されているとその傾向が助長されます。
これって医者側がそのように意識していなくても、患者さんや周囲の医療スタッフから強固に「先生」と思われていると、どうしようもなかったりします。
勿論、自分がもっと砕けて接するように心がければ、相手も気を遣わずに話せるのかもしれませんが、
友達感覚的に話しかけてこられても、「先生」と呼ぶ文化・価値観の中で育った人達にとってはただ戸惑うだけなのではないかと思います。
この「先生と呼ばれる人を無条件で敬う文化」は古くは幼稚園の頃から全国民にいつの間にか植え付けられた価値観ですので、
このレッテルをはがすのは難しいことかもしれません。
しかし例えばオンライン診療という新しい分野の中においては、
例えば「先生」と呼ぶのを強制しないというマイルールを適用することはできそうです。
オンライン診療では私のことを「たがしゅう先生」と呼んでもよいし、「たがしゅうさん」と呼んでもよい、ことにするのです。
さすがにいきなり「たがしゅう」だと抵抗はありますが、英語圏であれば「たがしゅう」でも大丈夫です。まあでも「さん」付けが標準的でしょうね。
こうすることでこどもからお年寄りまで様々な方が健康相談としてオンライン診療を利用しやすくなるというのであれば、
私は喜んで「先生」と呼ばれることを捨てたいと思います。
たがしゅう