ストレスマネジメントの多面的治療効果

本日はオンライン診療で糖質制限と並んで基本となる治療概念、

ストレスマネジメントの多面的な効果について語ってみたいと思います。

ストレスマネジメント、すなわちストレスを受けた身体の適応反応が、速やかに収束するように心の在り方を工夫することですが、

これを行うことによって得られる医学的メリットはざっと考えるだけでも以下のようなものが挙げられます。

1.血糖上昇を避けることができる。
2.交感神経過緊張状態を解除することができる。
3.副腎を疲弊させない
4.消化吸収機能を改善する
5.微小循環を改善する
6.精神面を安定させる
7.がん予防(治療)となる
8.アレルギー性疾患を改善させる

普通ストレスマネジメントというと、「6.精神面を安定させる」という効果が誰もが思いつく内容ではないかと思いますが、

実はそれ以外にもこれほどたくさんの治療的メリットがあるのです。

それぞれの理由について語ると非常に長くなってしまうのでここでは割愛しますが、

ここでの重要なポイントは、「ストレスマネジメントは精神面だけではなく身体面においても多面的に治療効果をもたらす」という点です。

ここが私がストレスマネジメントがオンライン診療に使える最大の理由だと思っています。

はっきり言って、ストレスマネジメントなら心理療法やカウンセリングに詳しい精神科医や臨床心理士の方が取り組む方が、

私のような心理学を少しかじったくらいの人間よりもよほど綿密でキメの細かいストレスマネジメント指導を行ってくれるのではないかと思います。

しかしストレスマネジメントが身体疾患の治療にも有効となれば話は別です。

精神科医や臨床心理士の方は、身体の病気に関して詳しい訳ではありません。

それならばオンライン診察で様々な疾患を対象に見ていこうというにあたって、

身体と精神の両方をみていくスタンスの私が登場する価値はあるのではないかと考える次第です。

特に「2.交感神経過緊張状態の解除」については、通常の西洋医学中心医療でははっきり言って対症療法以外になす術なしの状況ですし、

とりわけ難治とされる症状や病態にはほとんど全てにといってよいくらい交感神経過緊張が関わっていると言っても過言ではありません。

ただでさえ治療が難しいとされる交感神経過緊張をオンライン診察で診ようというのだから、とてもではないけれど無理なのではないかと思われるかもしれませんが、

自己洞察、自己内省に注目させやすくするオンラインでの主体的医療のスタンスだからこそ、

こうしたストレスが密接に関わる病態の解除に有利に働くのではないかと私は踏んでいます。

たがしゅう