オンライン診療ではリスクの高い薬を扱うことは基本的に難しいです。
なぜならば救急対応ができないのがオンライン診療の一つの弱点であって、
もしも遠方で薬の大きな副作用トラブルが起こった時に対応することができず、
処方した医師としては非常に心苦しいことになってしまうからです。
だから自覚症状ペースで調節できる漢方薬やホメオパシーなどの低リスク薬を用いるべきだという見解は以前にも述べましたが、
薬を新たに処方するのではなく、既に処方されている薬を減らしていくためにどうすべきかというアドバイスをするのであれば遠隔でも可能だと思います。
すなわち減薬相談外来です。
特に依存性のある脳に作用する系統の薬は減らし方にコツがありますし、
薬を減らしてもらうという他者依存的な感覚だとうまくいかず、自分で明確な目標の下に薬を減らしていくという主体的な姿勢が減薬には重要です。
そうなると主体性が刺激されやすいオンライン診療では意外と減薬相談外来に向いているのではないかと私は考える次第です。
これはあくまでも私の中での想像に過ぎませんが、
これでうまく減薬できて薬物治療から卒業する流れを作ることができれば、
ポリファーマシー問題に一石を投じるとともに、
オンライン診療の新たな可能性が広がることにもつながるのではないかと思います。
たがしゅう