オンライン診療で扱う薬は、薬による副作用の可能性を最小化するために、
低リスクの薬を扱うということが基本になってこようかと思います。
そう考えると一つの候補として挙がってくるのが、サプリメントと称される物質です。
そもそもサプリメントの定義は何かと言いますと、
サプリメントは栄養補助食品とも呼ばれ、「ビタミンやミネラル、アミノ酸など栄養摂取を補助することや、ハーブなどの成分による薬効が目的である食品」とWikipediaには書かれています。
つまりサプリメントは薬効は持っているけれど薬ではなく食品の扱いになるということです。
安全性という意味では薬以上、食品未満という感じになるでしょうか。
でも安全ということは、効果もたいしたことはないのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
サプリメントも玉石混交の世界です。確かに効いているのかどうかわからないものもありますが、
サプリメントでありながら非常に有効なものもあります。
例えば、認知症に対するサプリメントとしてよく知られているフェルラ酸含有サプリメントはかなり優秀です。
ドーパミンやセロトニンといった脳内の神経伝達物質と類似の構造を持つフェルラ酸が体内に入ることで、
進行期の認知症であっても意欲改善、発話促進、歩行の安定化など様々な効果を示すことが使用した様々なドクターから報告され、文献的な裏付けまで増えてきている状況です。
しかも一般的な保険診療で用いられる認知症の薬に比べて圧倒的に副作用が少ないという優れものです。こういうサプリメントもあるのです。
ただしこういうと認知症が治せるのではないかと誤解する人も出てきますが、残念ながらそうしたサプリメントの効果も認知症相手では時間とともに徐々に弱まってくるというのが現状です。
だから認知症のような不可逆的な神経変化をきたす病態においてはサプリメントを使うのと並行して、せめてそれ以上神経変性が進行しないように食事やストレスマネジメントの工夫が必要になってくるのですが、
主体性が失われつつある認知症においては、そうはいってもなかなかなす術がないというのが現実だと思います。
話がそれてしまいましたが、とにかくサプリメントは、ものを選べば遠隔であっても患者さんに利益をもたらすうる有用な存在となりうると思います。
今後もオンライン診療で使えそうなサプリメントがあれば、積極的に学んでいきたいと考える次第です。
たがしゅう