オンライン診療で求められるのは患者の状態を知るためにじっくりと話を聴き、その上で適切な助言を行うことだと述べましたが、
その過程でもう一つ重要なのが「共感」だと私は思います。
本ブログの方でも扱いましたが、苦しむ人を支える援助的コミュニケーションというものがあって、
その基本に「苦しんでいる人は、自分の苦しみをわかってもらえると嬉しい」という原則があります。
患者さんは大なり小なり、今まさに「苦しんでいる人」です。直接対面で何かしらの介入ができるのであればまだしも、
オンライン診療で直接触れられないとなれば、武器となるのは対話ということになります。
そうなれば患者さんの状態を理解するのと同じくらい重要なことは、患者さんの苦しみを理解しようとすることだと私は思います。
そしてその時に重要となってくるのがまさに、「共感」という営みです。
苦しみに共感して必ずしも解決できるとは限りません。
ただ側にいることしかできず、その苦しみを理解しようと試みることしかできないかもしれません。
ただそれでもそんな共感の姿勢そのものが患者さんの苦しみを和らげることができる、という時もあると思います。
だから「共感」はオンライン診療に携わる医師にとって、
必須といっても過言ではない営みだと私は思います。
たがしゅう