私の考えではオンライン診療において薬を処方する行為で儲けてはダメだと思っています。
なぜならば根治を目指す主体的医療を理念におく私のオンライン診療では、
薬を処方するという行為は、誤解を恐れずに言えば、「苦肉の策」的な治療行為であって、
とりあえず急場をしのぐために対症療法と行うという考えが原則にあります。
それなのにもしも私がオンライン診療で薬剤を処方すればするほど私が儲かるというシステムにしてしまうと、
私に薬を長期で処方したいというインセンティブ(動機付け)が働いてしまうからです。
私がいかに薬を出さない方針を固めていたとしても、
たくさん処方すれば儲けがたくさん出るという状況があれば、
同じ薬を出すにしても、患者さんの意向を考慮せずに、意識的にせよ無意識的にせよ、自分が希望する処方量を患者さんに提案してしまうかもしれません。
そうなると私が患者さんの主体性を奪うことにもなりますし、
オンライン診療で長期処方すればするほど、特に西洋薬の場合、副作用の発現リスクが高まってしまうことにもつながってしまいます。
勿論、患者が自分の体調に留意し、自分で服薬の調整を行うという立場に立てば長期処方でもトラブルを回避しやすいというのはこれまでも述べた通りです。
だから薬をいくら処方しても私は得をしないシステムとしつつ、
患者さんを診れば診るほど得をするというシステムにすることによって、
私のインセンティブと経営面でも両立が図れるのではないかと思うのです。
でも、それでは従来の患者回転重視の、3分診療、5分診療の世界につながってしまうではないかと思われるかもしれませんが、
オンライン診療では完全予約制で運営するつもりなので、私がどれだけ多く患者を診ようと欲した所で診療時間で上限が定められることになります。
それによって適切なオンライン診療クリニックの運営ができるのではないかと私は考えています。
たがしゅう